日清紡ホールディングス株式会社様 ローカル5G通信 共同実証実験に成功
*以下、日清紡ホールディングス株式会社様発表のプレスリリース記事を転載させていただきます。
ローカル5G を活用した軽量・小型ロボットの安全で高性能な自律走行の実現へ
ー ロボットと協働するライフスタイルで超スマート社会を実現 一
日清紡ホールディングス株式会社と株式会社agbeeは、ローカル5Gによる高速大容量通信を用いて、自律走行ロボットのVisual SLAMに必要なステレオカメラの環境動画像データをリアルタイムに伝送することに成功しました。
より正確で安全な自律走行には、高い解像度で周囲環境を認識することが不可欠です。今回の成果を足掛かりに、今後、デジタルツインを用いた空間知能化に向けて引き続き開発・実験を進め、さまざまな公共の場で人とロボットが協働するライフスタイルを実現してまいります。
自律走行ロボットが悪路や別の可動物がある複雑な環境で走行するためには、シミュレーション用の膨大な空間センシングデータの処理が必要です。ロボット本体でこの処理を行うには、機体に高価なデバイスを搭載しなければならず、コストが普及の妨げとなります。そこでクラウド上でデータ処理を行い、デジタルツインで走行シミュレーションを行う研究開発を進めています。クラウドを利用するには大容量のデータをリアルタイムに機体から伝送することが必要となります。今回、当社は高速・大容量通信が特長のローカル5G通信を用いて、自律走行ロボットCarting agbeeに搭載されているステレオカメラの大容量環境動画像データを機体から外部サーバーヘリアルタイムに伝送することに成功しました。
当社では戦路的事業領域であるモビリティ、インフラストラクチャー&セーフティ、ライフ&ヘルスケアの分野において、日清紡グループの日本無線株式会社が有する5G技術を活用したデジタルサービスの創出に取り組んでいます。2022年9月からは、東京都が推進する5G技術活用型開発等促進事業「Tokyo 5G Boosters Project」に開発プロモーターとして参画し、5G技術の可能性を模索しています。
本プロジェクトでは、モビリティ分野での取組みとしてスタートアップ企業のagbee社とともに、成長する小型自律走行ロボット市場で、人の相棒として協働できるロボットの開発を進めています。
今後はデジタルツインを用いた空間知能化の実現に向けて、ローカル5Gの最適化や「Carting agbee」のアルゴリズムの改善によって自律走行の精度を高めていく予定です。デジタルツインによりサイバー空間を再現し、シミュレーションすることができれば、整備された工場・倉庫に限らず、屋外の悪路など複雑な走行環境での荷運びや安全巡視といったさまざまなサービスの提供が可能になります。将来的にはショッピングセンターなど人が多く集まる公共の場所でのサービス提供も実現し、日常的にロボットと協働するライフスタイルを創造してまいります。
以上
※文言定義集
・ローカル5G:
エリアを限定して利用する次世代の高速通信ネットワーク。個別ニーズに対し、セキュリティレベルや通信の安定性を担保する等の柔軟な構築・利用ができることから、さまざまな地域での社会課題の解決に向けた活用が期待される。
・Visual SLAM:
ロボットが自律走行を行う上で最も重要な、自己位置推定および地図生成を行うSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術の1つ。主にカメラから得られた環境動画像データを用いることから、Visual SLAMと呼ばれる。
・デジタルツイン:
現実世界の情報から収集したデータをもとに、仮想空間上に同じ環境を双子のように再現する技術のこと。
・空間知能化:
ある空間にセンサーやアクチュエータを分散的に配置し、得られた情報を用いて、その空間内にいる人やロボットの活動を支援する仕組みである。本実験における空間とは、現実空間およびデジタルツイン空間の両方を指す。
・5G技術活用型開発等促進事業「Tokyo 5G Boosters Project」:
東京都が実施する、持続可能な新しい社会の実現をめざし、スタートアップ企業等による「新しい日常」に寄与するような5G技術を活用したイノベーションの創出や新たなビジネスの確立を促進するため、民間事業者と協働してスタートアップ企業等の開発等を支援する事業。
https://5G-boosters.tokyo/
【報道関係者お問い合わせ先】
日清紡ホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーショングループ
TEL 03-5695-8854